営業から経理に転身した30代男の記録

仕事に悩む20代の参考に

新たな担当業務【運賃保管料】を分析せよ

こんにちは。経理っぽい男です。

 

経理部に異動して、会計システムの理解を最優先に進めてきた私。

ようやく新しい環境にも慣れてきた頃、上司より新たな指令が降りてきた。

 

「君、国内事業の【運賃保管料】分析を担当してね」

 

世の中の企業の経理ではどのような担当割り振りをしているのか分からないけれど、

私の会社では、管理会計担当(課)の中に数名のメンバーがいて、

それぞれが担当の勘定科目を持っていた。

 

その中で、私に割り振られたのが「運賃保管料」。

運賃保管料はPL(損益計算書)の中でも販管費に分類される費用で、

製品の輸送・配送費用や、外部の倉庫に在庫を保管する際に発生する諸費用が含まれている。

ちなみに、他のメンバーには販促費担当、広告宣伝費担当、営業外損益担当などがいた。

 

私の会社の場合、運賃保管料の8割以上の費用は「共通経費」として処理されており、

国内の各部門に配賦(はいふ)し、負担させていた。

確かに、大型トラックに複数の部門の在庫を積み込んで一括で輸送し、一緒に保管しているので、共通費で処理されてもおかしくない。

 

ただ、配賦処理された費用は分析するとなると少し手間がかかる。

どの部門にかかった費用かが明白で、配賦処理する必要のない費用(直課できる費用)であれば、単純にその費用の増減理由が掴めれば、対策も立てやすい。

 

一方で、配賦処理された費用は、例え費用の総額が変化なくとも、

配賦する際の「基準」が変化してしまうと、各部門に負担させる費用が変動してしまう。

そして、私の会社はこの基準が毎年見直され、変動していた。

つまり、運賃保管料の分析(前年との増減分析や計画との差異分析)は、費用の総額差異要因と配賦基準の変動要因の両方を把握する必要が出てくる。

 

果たして、どう分析していけばいいのだろう。

新たな担当業務に対する不安を抱えながら、本格的な「管理会計担当」の仕事が始まっていった。

未経験で経理ってどうなの?

業務に必要だということで、SAPの理解に励んでいた私

 

着任してしばらくは、システム用語や操作を覚える事だけに集中した。

そう書くと、経理の仕事ってシステムさえ使えれば出来ちゃうの?と思われるかもしれない。

経理部でこれまで約2年間(2023年4月現在)仕事をしてきた結論としては、

「(管理会計に従事する限りは)システム理解の優先度がかなり高い」

と思っている。

 

簿記は、ひとまず3級レベルの知識があれば良いと思う。

私の場合、海外子会社の経営企画の経験もあり、

借方/貸方の知識や財務諸表に対する慣れがあったため問題は無かった。

ちなみに、未だに簿記は2級はおろか3級も持っていない。

 

業務上自分では分からない会計処理に遭遇する場面は確かにある。

その時は、素直に教わるか、都度解説書を参考に答えを模索すれば良い。

 

この仕事に就く前まで、経理職といえば専門性で勝負する世界で、数値のミスは許されず、ルーティンワークの連続・・・という印象があった。

実際のところ、印象は全て正しいのだが、それ以上にシステムのことを理解していないと何も始まらない。

 

特に管理会計の場合、会社の業績数値を求められる形・切り口でまとめ、

相手に伝わるよう発信していくことが求められる。

そして大抵の場合、これらの数値はシステムから抽出してくることになる。

システムから抽出した数値は、どういう仕組みで計算され、何を意味するのか?

そういったことが解っていないと、自分の仕事は何に活用されることなく、会社の偉い人が持つ膨大な資料の中に埋もれていく。

 

企業のIT化や技術の進化が進めば進むほど、この傾向は強くなると思う。

結局のところ、どんなに高尚なシステムを導入したとしても、

それを使いこなす能力が無いと、宝の持ち腐れなのかもしれない。

SAP(COモジュール)を理解するために手始めに読む本

経理の仕事を覚えるには、会計システム(自社の場合はSAP)を知ることが近道だと理解した私

 

社内のシステム部にレクチャーをお願いしても良いが、

経験則的に、こういうのは教えてもらうより自分で調べた方が理解度は高まる気がする。

そこで、ネットでSAPについて解説した本を探してみることにした。

 

ちなみに私は本は紙より電子書籍派だ。

いつでもスマホで読めるし、持ち運びも楽

本を保管するスペースの心配もない。

 

AmazonKindleで検索すると、「First Steps in SAP®CO」という書籍が目についた。

この本はストーリー性になっていて、

主人公は架空のチョコレート製造会社に転職してきた原価担当者である。

主人公は業務上のやり取りを通じてSAPのCOモジュールについて理解を深めていく内容になっている。

 

私がこれから扱うのもSAPのCOモジュール。

今の私にぴったりの本ではないか。

早速、この書籍を購入することにした。

 

この本では主要モジュールの概要から始まり、FIとCOの違いや、COと各モジュールの関わり、COの構造などが概要レベルで解説されている。

専門的過ぎるず、SAP全体を理解するには丁度良い。

全223ページ、読み終えるまでの平均的な時間は約3時間というのも、丁度良い。

 

私は週末一日をかけ、この本を読破した。

その後、本で学んだ内容は私の業務理解に大きく役立った、

この本を読んだ事は大正解だったと思う。

1日で学んだSAPのこと

経理部に配属して課された最初の仕事は

SAPというシステムのことを理解すること。

 

簿記でも会計処理でもなく、システムを理解すること。

 

想像してた仕事と違うという気持ちを抱きながらも、まずはSAPというシステムを弄ってみた。

 

SAPは目的に合わせて様々な機能を有しているらしい。

これらの機能はモジュールと呼ばれている。

会計処理を行うモジュールはFI(Financial Accounting)=財務会計モジュール

受注・販売を行うモジュールはSD(Sales and Distribution)=販売管理モジュール

在庫管理を行うモジュールはMM( Material Management )=在庫管理モジュール

生産管理を行うモジュールはPP(Production Planning and Control)=生産計画・管理モジュール

そして、管理会計で使用するモジュールはCO(Controlling)=管理会計モジュール

 

FIやCOモジュールは、その他のSDやMM、PPモジュールなどで行われた処理と連携して、

会計仕訳が立ったり情報が記録されていく。

 

つまり、システムを決まった通りに動かせば、

それに紐づいた適切な会計仕訳が自動で記録されていく。

 

なるほど、これなら経理未経験の私でも出来ることもあるかもしれない。

経理の仕事というのは、簿記や財務会計の知識と同様にシステムを適切に使う能力も重要になりそうだ。

 

先々、簿記や会計の知識を身に着けるのは無論だが、

まずはSAPに慣れる事が仕事を覚える近道かもしれない。

 

経理部最初の仕事-SAPってなに?

思いがけない一本釣りで経理部に異動することになった私

命じられた役割は国内事業の管理会計担当

私に課せられた最初の仕事は・・・

 

国内で使っている会計ソフトの仕組みを覚えること。

 

配属された課の上司との最初のオリエンテーションで言われた言葉

「うちの会社はSAP使ってるから、管理会計の仕事もまずはSAPが使えないと何にもできないんだよね。だから、まずはSAPを覚えることが最優先だね」

 

SAPといえば、名前くらいは聞いたことがある。

ドイツのSAP社が提供するシステム。

ERP(Enterprise Resource Planning)システムの代表格的な存在・・・だと思う。

ERPシステムというのは、会社の情報を全部一つのシステムに集約・管理するために、

周辺システムと連携しているような巨大なハブの役割を果たすシステム。

 

海外事業の経営企画をしていた時も、海外子会社の会計システムに触れることは度々あった。

ただ、海外子会社の場合は会計は会計システム、出荷管理は在庫管理システム、製造・調達は購買システム・・・と、目的毎に異なるシステムが使われていた。

これらのシステムをひとまとめにしたようなシステムと言えば、SAPのイメージは掴めていると思う。

 

この日から、簿記や会計処理より優先してSAPの仕組みを理解する日々が始まった。

経理って何する仕事なの?

30歳にして未経験で経理部に異動することになった私

 

経理部ってどんな仕事してるの?

伝票書いて帳簿をつけるのかな?

決算期は遅くまで残業してるな・・・

 

経理という仕事を自分のキャリアで意識したこともなかったので、

経理部が何をしているのかも知らない私

 

経理部へ異動の辞令と共に言われた言葉は

「君、国内事業の管理会計(※)やってよ。あと、そのうち工場の経理担当もやらせるから製造原価のこと勉強しといてね」

管理会計=社内での経営判断に役立てるために、損益情報や財務情報を取りまとめ、分析し、報告する仕事。

 経費の処理や決算対応(財務諸表の作成)を進めるのは財務会計

 

元々海外事業に憧れて、希望して海外の経営企画部に異動した経緯があった私にとって、

一言で言えば「がっかり」な内容でした。

 

なんで自分が?

管理会計ってなに?

っていうか工場の経理ってなに?

 

その日から、未知の仕事と勉強に打ち込む日々が始まったのでした。

未経験で経理に異動

こんにちは。経理っぽい男です。

 

大卒でメーカーに営業で入社し、

後に念願の海外事業の経営企画に異動したものの、

30歳で今度は経理部に異動になった男です。

 

肩書は経理部員なのですが、経理経験が無いので、

考え方から仕事へのスタンスまで、何もかもが「経理らしくない」と言われます。

なので、「経理っぽい」男を自称しています。

 

果たしてどうしてこのようなキャリアを歩むことになったのか。

20代でキャリアに悩む人などの参考になればと思い、記事にすることにしました。

 

きっかけは、所属していた海外事業部(当時)と経理部の合同勉強会での1シーンでした。

 

経理の偉い人「このPL(損益計算書)について、感じる事を自由に発表して」

 

私「このPLはちょっと不自然です。売上の伸長の割に販促費も広告宣伝費も減少していて、どんな戦略を実行したらこんな数値になるのか・・・」

 

経理の偉い人「君の意見はもっともだね。君、経理部来てそのセンス生かしてよ。今度辞令出すからさ。」

 

私「え?」

 

後から聞けば、そのPLは社内のとある事業部が作成した次年度の事業計画PLのたたき台数値だったとのこと。

なにも知らずに、思ったままに数字の「粗」を指摘してしまった私は、

どうやら「数字を見抜けるヤツ」という印象を持たれてしまったらしい。

 

こうして、30歳を迎えて未経験で経理に異動した男が生まれたのでした。